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【お笑い芸人になる】本当に売れていない芸人は、食えている

どうも、中村オニギリです。

 

僕は、今まで芸人、フリーランス、サラリーマンという経緯で生きてきました。

 

今回は、「芸人の時の話」を書きます。

芸人という仕事は

「厳しい道だよね~」とか「食えるまで難しいよね~」とか言われますが、実際そうでもないんです。

売れることを考えなければ。

私は、養成所を卒業して芸人になり、約2年ほど活動しましたが、その間に芸人で稼いだお金は0円です。

全く自慢にはなりませんが、そうなんです。

その間は、ずっとアルバイトをして生計を立ててました。

養成所を卒業すると、劇場での月に一回の出番を与えられました。

劇場の仕組みは、メジャーリーグのような形式になっていました。

画像1

3A(テレビにでる一歩前)・・・劇場で人気があって、単独ライブを行えるくらいの人、ショーレースで3回戦以上まで行った経験のある人、テレビなんらかの形で出たことのある人

2A(劇場番長)・・・各期生でネタまあまあ形になっている人たち、ショーレースでも一回戦を突破できる人

1A(ネタ優等生)・・・NSCを卒業してすぐの若手の中で選抜クラスに入っていたり、各期で芸人としてちょっと形になっている人たち

ルーキー(あったかいドブ)・・・NSCを卒業してすぐの若手、各期で売れない人たち、無法者

※あくまで私見ですがざっくりこういう感じです。

このピラミッド式の中で毎月、各階級の上位数組と下位数組が結果に応じて、昇格降格を繰り返していきます。

チケットのノルマもあり、ルーキーにいた私は、1枚800円~1000円、ピンなら5枚、コンビなら10枚事務所から購入してそれを売っていました※2011年当時

ギャラはありません(1Aに上がると1ステージ500円のギャラが出るらしいです)

そのため、チケットを全部売ってトントン。

でも、チケットも全部はけるなんてまずないです、基本的にはマイナスでした。

若手のライブは知名度もなく、集客が期待できないのもあり、ライブハウスのスケジュールとしては「平日の12:00開演」「平日15:00開演」などもありました(会場のキャパは200人)

「誰が来るんだよ、そんな時間に、売れないよ」

と当時は思っていました、でも今思うと集客(売上)の見込みない中でも、ライブができる場を提供してもらえるのは、ありがたいことだったなと、今は思います。

ルーキーにいるうちは、月に1回のライブですが、昇格していくと月2回、3回と、出演回数が増えていきます。

ここで「本当に売れない芸人が、食える」のポイントになります。

私たち売れない芸人は、当然ながらアルバイトで生計を立てている者がほとんどです。

芸人の仕事も月1しかありません。

そのため、月の予定のほとんどをアルバイトが占めます。

時給1000円、1日8時間、週5,6で働けば、月の給料は16万~20万を稼ぐことができます。

東京だとしても、一人暮らしするには十分な金額です。

シフトもガッツリ入れますし、バイト先の店長から

「中村君は、シフトを埋めてくれる戦力」

という信頼の目で見られますし、なまじ「芸人」という肩書があるので同じバイトの女の子からも一目置かれます。

贅沢をしなければ生活費などの必要経費を差し引いても5万~8万くらい手元に残ります。ほとんどバイトなんでお金もあんまり使いません。

しかし、これが昇格し【1A】にあがると出演回数が増えます。それだけでは、大したことはないですが、それに乗じて定期のライブ以外にも、ライブの声がかかったり、ライブのオーディションの声が事務所からかかったりします。

そういった連絡はイレギュラーなことがほとんどです。

声がかかったら将来を夢見る若手としては「いきます!」一択になります。

事務所から声をかけてもらえるというのは、芸人にとってチャンスですし、そこで結果を残すことができたら

「あいつら、この前のライブよかったな、また、呼んでみようか」

といった話になりどんどんチャンスが広がっていきます。

しかし、その反面で収入面でいうと、イレギュラーな予定が増えることにより、アルバイトのシフトに穴を空けることが多くなります。

芸人としては、それでまったく問題ないのですが、芸人といえど人なので...

バイトのシフトに穴を空けたら「売れるためだけど、悪いな」という人の気持ちの部分が出てきます。

でも、「俺は、芸人として売れるために東京に来たんだ」と自分を鼓舞し、バイト先の店長に連絡を入れます。

「すみません、今日オーディションが入っていけなくなりました...」

と電話を入れると、いつもは、

「お笑い芸人なんだからこれぐらいできないと」

「だから、売れないんだよ」

「面白いことやってよ」

「芸人としてどうなの?」

という店長が

「それは、社会人としてどうなんだ?」

とかいってきて電話口で、イギーーーーーーーーーーーーーってなりながら、「すみません」とあやまり事なきをえます。

そんないつ来るかわからない事務所からの連絡のためシフトも以前ほど入れることが出来なくなります。

その結果、収入は、大幅に下がります。さらに、ライブの本数が増えて、チケットがさばけなくてマイナスが増えてくるので、手元に残るお金がどんどん減っていきます。

そのしわ寄せは、食のグレードを下げ、テレビに出ていてる芸人さんの「もやし1袋で3日生活した・雑草を食べた」というような面白い不幸話の始まりになるわけです。

その点、「万年ルーキー」は、月1の出番しかなく、先輩との付き合いもしない、バイトと家の行き来がメインで、休みの日は有名ラーメンを食べに行き、週に2回くらいのネタ合わせで「今日はがんばったなー」とか言って、帰りにブックオフで「この漫画を100円コーナーで全部集めるぞ」と意気込み、ピンサロに行って帰宅、というようなルーキーは楽しいかぎりでしたね(本人談)

自分でもやめたときに思いました「売れる姿勢ではなかったな」と